僕に無い物は君が持ってて、
君に無い物は僕が持ってた。
僕にも君にも無い物は、
二人で半分ずつの力で手に入れた。
だから無い物を手に入れるのだって、
そんなに疲れなかった。


こんなんだから、僕と君は、
二人でいれば無敵だって思ってた。



なのにばいばいする道を選んだのは、
満たされ過ぎてしまった心の中にある風船がたったの6年半で
『もうこれ以上入らないよ』
って、パーンと音をたてて割れてしまったから。


二人がそれぞれ持っていた風船は、
実はとてもとても小さくて、
新しい一回り大きな風船をまた持つのには、
沢山の時間が必要だった。


役割を終えてしまった小さな風船の破片は、
拾っても、くっつけても、
またキレイに再生される事はない。


"割れてしまうまで気づかなくてごめんね。沢山無理をさせちゃったね?今までありがとう。ばいばい。"