「日那子ちゃん、そろそろ行きましょう。」 「はい。俊、行ってくるね。」 「おう。」 俊と別れ、舞台袖で待機する。 今日は、いつもよりもいい演奏ができそうな気がした。 軽く体を動かして、フッと息を吐く。 「エントリーナンバー12番、川田日那子さん。」 大丈夫、きっと。