「きゃーー///!!!」




木山の歓声が耳と頭に響く。




今までこれ以上とないぐらいきっちり、
超上げぱんだったのも下げぱんに


今時風に着こなして
顔全体に覆いかぶさる髪をいつも通りにわけて、
ダテ眼鏡をとると



いつものなおの完成だ




興奮しながらキョロキョロうろつく。
木山の興奮が収まるまで、少し待つか、と真顔で立っていた。





「ねえ、早くしてくれないと…」



木山があまりに興奮して叫ぶもんなので

あっちの方から階段を先生が下りてきた。





や・ば・い





「逃げるぞぉおおおおおお」




「木山ー!!っと…誰だーー!?」




一心に走った。




「とりあえずひとけのない場所に逃げるぞ!!」

「ひとけのない場所って後どこ!?」


なんだかんだいっても、高校一年春だ。
場所は全部把握しきれていない。




「とりあえず…図書室!!?」



「オッケー!」




だがしかし、俺たちの考えは甘すぎた。




その図書室まで行く所までに生徒がいっぱいいたとは。。。






「え?」




生徒全員が谷口直也のことを凝視する。




「なお!!?」



やっちゃった






見つけた生徒全員に追いかけ回される。
木山も一緒に逃げている。




これぞ学校全体鬼ごっこ





みんな手にスマホや携帯を持っている。



写真にされたら一巻の終わり。






俺の全運動神経を使って、どうにか男子トイレの個室に
ばれずに逃げ込めた。





「ふう…」




「危なかったね!!」

「うわ!!」




一緒に木山も入っていた。




「もうこれはメディアが動いて…
 ばれちゃったらしょうがないかあ」



「ごめんね、あたしのせいで…」


「別に…」