「……あのさ。」



え?!話し掛けられたよ?!
なんで?!

知らない人に話し掛けられた事で少しパニック状態になった私は、バッと立ち上がり逃げようとしたが、前の男が邪魔で立ち往生…。



「あああああ、は、はい?」

「…七瀬さん?」



なんで名前知ってるの?!
ストーカー?!
拉致犯?!
監禁されちゃう?!
どうしよ…
怖いよ!怖い怖い怖い!!!

この短時間でいろんな妄想が駆け巡る。



「やっ!…やめて下さい!」

「はぁ?」

「あああっ!私よりもっとかわいい子たくさんいるわよ!その子にしなさいよ!」

「……はぁ?お前何言ってんの?」

「やだやだ!来ないで!やめてよ!!」



とっさに出てきた言葉を並べ、どうにかしてこの場を離れようとしていた。



「~~っ明日美!!」
「!!あっちゃん!!!」



走ってくるあっちゃんが神様に見えたよ。本当。



「…何やってんの?」
「~っこの人がね!!」
「孝志!こいつ訳分かんないんだけど?」



はぁ?
……あっちゃんの友達?


「亮!遅刻するから、明日美たちよろしくっていっただろ!あ。こいつ里中 亮(サトナカ リョウ)!同じクラスで同じバスケ部なんだ。」


えっ?!
同い年だったの?!み…見えない。
超大人っぽいしさ…。



「そういや、純子は?」
「…あ!多分もぅ来ると思うけど……」
「~~~っ!!ごめん!!明日美!孝志!」
「純ちゃん!また遅刻?」
「ごめんごめん!!」
「あはは!さすが純子だな!皆そろったし、行こう!」
「ちょっと待って!!里中くん…だっけ?
彼は一体…?」
「あ!亮も新しいシューズ買うらしくてさ。せっかくだから誘ったんだ。こいつバスケの事、超詳しいからさ?頼りになると思って。」




あのさ。
そうゆうことは始めにいってよね?
私、変質者と勘違いしたんだよ?