「(…一週間ってこんなに早かったっけ?)」



びっくりするくらい早く日曜日が来た。


お昼過ぎに駅前の噴水のある公園で待ち合わせ。
純ちゃん、遅刻魔だけど……
大丈夫かな?
あっちゃんが来るんだし、大丈夫だよね?


ちょっと早めに家を出て、公園のベンチで2人を待っていた。


…にしても、田舎なのに駅だけはキレイなんだよね。
噴水があるとか、おしゃれじゃない?




いろんな事を考えながら待っていたんだけど。


「……(遅い。)」

純ちゃんは分かるけど、あっちゃんは遅刻なんかした事ないのに。

「はぁ…。」

待ちくたびれてため息出ちゃったよ。
こんな事なら早く家出なくてよかったじゃん。


「………」


……?
あの人……
高校生かな?
なんかすっごいこっち見てくる気がする。


背が高くてちょっと男前…かも。


…ん?
近づいてくる!

なんで?知らない人だよ?
やだやだ!変質者?!

そういえば、お母さんがこの辺りでも変質者が出たって聞いたような……。


怖いって!



『ブーブーブー…』



あ!メールだ!

怖さから逃れるためケータイを握り締め、早々と操作した。


【ごめん、今から家出る!ダッシュで行くから!】


あっちゃん!
なんて時に遅刻するんだよ。


愕然としながら、ちらっと横を見ると男もケータイを見ていた。


……あの人もケータイ見てる。
今のうちにちょっと逃げようかな…。




被害妄想に浸っていたら、いつの間に男の人が私の目の前に立っていた。