それから 2年して 妹の市が 政略結婚の為に 嫁いで行った。


織田家の力も 父の死によって 弱くなりつつあり 市を御家の為に政略結婚の道具に 使ったのだ。
しかも 織田家には 頭がキレる男子が居ない。
そこで 弓や知識などを 得意とする綾に 織田家の君主になって欲しいと 頼みに 来るのである。

『頼みは 十分承知の事だと思いますが 我々 織田家の君主になっては くれないだろうか?』と家老一同が 声を揃えて頼む。

綾は 直ぐには 返事は しなかった…。

人質として 藤吉郎の元に居る 家康が 心配だったのである。


『3日待ってくれるか?』と綾は 家老に答えた。


3日で 何かが 変わる訳では 無い…ただ 変わるのは 私が 姫から 殿方に変わるだけだ。 と心に思いながら 淡い気持ちと 闘っていた。
殿方になれば 家康様には 会えない。

夫婦にもなれない。

約束は無効になってしまう。

そう考えながら 気持ちを整理して行った。


そして 3日目になり…