『家康様、綾は離れとうございません』と 泣きながら 家康に請う。

『いづれ また 私に会える日が来る…その時は 一緒に夫婦になりましょう』と 綾に約束をする家康。


2人は 約束の誓いに 口づけを交わした。
甘くて ほろ苦い 口づけだった。


約束を交わして 2ヶ月して 家康は 木下藤吉郎の事 後の豊臣秀吉に預けられた。


その時 初めて 綾は 藤吉郎と会ったのだ。

平民育ちの若者に 何が 出来ようか これから 楽しみもあった。

『藤吉郎、私が綾。 ちゃんと 家康様を 大切にするのですよ』と 綾は 言う。

『はい、 大丈夫です』と藤吉郎が顔を上げた瞬間 綾の顔を 見られたのである。


何と 美しい姫様だろうか お市様も 美しいが 引けを取らない人だ。と藤吉郎は 心で 思っていた。

藤吉郎の事は 市に色々と聞いていたので どんな人か 見たかったので 市に頼んで 会わせてもらったのだ。


まさか その出逢いから 主君と家来になるとは 誰が 予想出来ただろうか…。