オリゾン・グリーズ




「勘違いしちゃいけない。
俺が助けようとしているのはあくまで君の命であって運命ではない。

今ここで俺から襲撃について聞かされてもルールにある以上、そして俺達の目的に値しない限りここの騎士団員たちはしぬよ」



いやにまじめくさった表情で彼は語った。



「おい、さっきから『俺達』と言っているが、ほかに仲間がいるのか」



「いるよー。
俺よりちょっと年下で無愛想でおっかなくて可愛い相棒がひとり」



「お前を助けに来るか」



「来るんじゃないかな、俺がいないとあいつ生きていけないし」



「弟か」



「みたいなもの」



ノエルはニコニコしながら答えた。



その相棒を語る声色は明るく、幸せそうである。