「お前いい加減にしろよ、さっきからわけのわからないことばっかり言いやがって!」
「まあ君からすればそうだよね」
「納得すんな!
人に忠告をするときは根拠と証拠を提示してからにしろ!」
「だって話が長くなるし一から説明するとなんか俺が中二病みたいな感じになるんだもん、そんな趣味ないのに」
青年はふくれっ面をしてそっぽを向いた。
その女々しい態度が余計にクリストハルトの神経を逆なでしてくれる。
「ああもういい、お前みたいな意味不明な人物にまじめに付き合おうとする俺のほうが馬鹿だ」
クリストハルトは深々と溜息をつき、狭い本棚の通路を迂回して二階の出口へ引き返した。
青年は追っては来ないようだ。
ただし声だけはする。
「帰っちゃうのー?」
「帰る、というか出ていく」
「そう、騎士団への参加はやめておいてねー」
「断る」
「それなら別にいいけれど」


