『…紗貴菜!それいいよ!颯太くんに近づけるよ!』
『えっでも…!』
さすがにここまで推し進められると困ってくる。
私に颯太くんを誘惑することなんて難しすぎる…というか、多分一生無理だ。
『紗貴菜!今日あいてる!?水着買いに行くわよっ』
『えええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!』
健全なバーベキュー&勉強会はどこにいってしまったのだろうか…。
元はと言えば私が提案したのだが、そろそろ主旨が違ってくる。
まあいっか♪
私から見た颯は頑張れば手が届きそうな存在だった。
だけど実際はそんな近くにいたわけじゃない。
遠い存在…いや、私だけじゃなくて誰もが手に届かないくらいのところにいた。
私がいる場所からはうんと離れていて…
颯は私たちと違う世界にいたんだね…

