でも、名前も雰囲気も全然違う。

魁はもっと優しい雰囲気で、八重歯が可愛かった。

この人は雰囲気がミステリアスで、八重歯はあるけど、牙みたいで怖い。


『じゃ、席は安崎の隣な。』


なんでよりによって私…?!


『…あんた、気に入らないな。』


そういって不敵な笑みを浮かべた彼の顔は、いたずらに歪んでいた。


キーンコーンカーンこーん。


『なぁ、お前ってどこからきたの?』

『家は?』


いろんな質問をするひと。


成悟はヤバイみたいなかおしてるけど。


『北海道だよ。家は魁の家。』

『……魁の…家?』

『そうだけど。』


なんでこの人が魁の家に…?


『ちょっと、真帆いいか?』

『成悟…?』


成悟は私をつれて廊下に出た。


『実はアイツ、魁の……』

『魁のなんなの?』

『…魁の…』

『俺からいうよ。(笑)』


そこには、荒木の姿があった。


『俺は、魁の腹違いの兄弟だよ。本当はもうひとつ上の学年なんだ。だけど、頼み込んでここにこさせてもらった。』


そういって笑う荒木は冷たい目をしていた。


『…』

『成悟…それほんとなの?』

『……んなわけないって。』


どっちがほんとなの?


『ま、嘘と思ってればいいさ。(笑)』


この人はなんなの?