『……かっこいいなぁ。』


私は夢中にシャッターをきる。


『ちょっと、真帆。もう7時でしょ。早く帰らないと。』

『ぁ、ごめん、寿々ちゃん。片付けるの時間かかるし、先に帰ってていいよ?』

『いーの。私んちどうせ誰もいないし。』



私は安崎真帆(あんざきまほ)。
写真部に入ってる地味系の女子です。

高一です。


この子は友達の華原寿々ちゃん。
かわいくてモテモテのおんなのこです。



『ねぇ、真帆可愛いんだしメイクしてよ~っ。で、撮らせてよ。』

『やだよ。私、メイクとかできないし似合わないもん。それに撮られるのは苦手だから。』


私は自分が撮られることを苦手とする。
ある事件が起こってから。


それは五年前。
私は11歳だった。

その頃は幼馴染みの魁(かい)がいた。

魁も写真を撮るのが大好きで、私もその影響を受けた一人。


魁はある日私を撮りたいと言い出した。
でも、私は恥ずかしかったから断った。

それでも、魁は撮りたかったのかな。

私の部屋に窓から入って、寝顔をとろうとおもったみたいで。


その時にタイミング悪く私が起きてしまった。
びっくりした私は窓際に立っていた魁を思い切り突き飛ばしてしまった。


その反動で、魁は……。



『もうっ。その事件は仕方ないでしょう?いつまでも引きずっててもどうするの?』

『わかってるけど…。でも、どうしてもダメなの。最初にとってもらいたいのは魁だし。』

『真帆…』


ぁ、もう時間がヤバイじゃん。


『寿々ちゃん、時間がヤバイっ!早くしなきゃ。』

『毎日好きだね。(笑)』


私は駅のホームから見える夜空が大好き。
なんだか魁と繋がっているような気がして。