【Kouga】


「おい藤原、お前……」

「詳しくは聞かないでください」

「なんで――――手が血まみれなんだよ」

「詳しくはWebを見てください」

「ふざけんな。うまい言い訳だと思ってんのか」



愛車(といってもバイクだが)をぶっ飛ばして家へ帰ってみると、ジャージ姿の藤原がうずくまっていた。

しょうがないから近づいてやると、

ぱっと顔をあげ、なんとも気まずそうな表情をこちらに向けた。


「すみません、先輩。

実は夜中に変な来客がありまして」

「夜中の客くらい追い返せ」

「いやぁ、それが私のことをブチのめす目的で来たみたいで」

「……ブチのめす? お前が完全にブチのめしてんじゃねぇか!」

「これは正当防衛です!!」


正当防衛にしては、どきついな。

相手は大学生くらいの3人だったらしいからしょうがない、とでも言うべきだ。


「まさかアッパーがあんなに威力のあるものだとは……!」


今にも泣きそうな顔をして見上げてくる藤原。

俺にどうしろと。