鮮烈な赤に酔う










「その件なら昨日断わってるだろ」

「でも……あきらめきれないんです」


ぎらり、と藤原の眼が光った気がした。

黒い瞳の中に、渦巻く何かが見える。

組の衝突の時、こんな目をもった奴が何人かいる。

そいつらは……――――強い。


藤原は静かに口を開いた。





「あなたの『絵』が描きたいんです」