鮮烈な赤に酔う









【Kouga】


いや……だからなんでコイツは平然としてんだ。


「あ、東雲先輩おはようございます。昨日はありがとうございました」

「いや、別に例はいいけどな……藤原だったか?お前こいつらがいて怖くなかったのか」

「……怖い?面白い方だとは思いましたけど」


きょとん、と首をかしげる藤原。

つくづく珍しい女だ。


「東雲先輩、昨日の件考えてくれましたか?」

「昨日の件?」

「忘れちゃったんですか?『私にあなたを貸してくれませんか』って言ったじゃないですか」


にっこり笑った藤原の声に、俺の後ろに立っていた部下たちが叫び声をあげた。


「若……!ついにアンタ、本命のお嬢さんを……!」

「ただのイケメン女たらしと思ってたが……」

「やっぱかっけーッス!一生ついていきます!」


真ん中の奴ぶっ殺す。