アゲハ蝶の恋【短編】





『でもね、もうすぐお別れしなきゃいけないの。』




「……え?」





風が強くふき、間をさした。








『言ったよね?私、蝶だって事。蝶は人間の様に長くは生きていられないの。』



「……は?」




『冗談だと思うかもしれないけど、ホントの事だよ。』



「アゲハ……。」




『だから……。』



「行くな!!」




アゲハの声を高島が遮った。






「何で……、


何でそんなに笑っていられるんだよ!!



せっかく出会えたのに、

意味が無いだろ…ッ!」







アゲハはゆっくり高島を離して、手を握った。






『ごめんね……、


最初から分かってたのに会ったりして……。


ごめんね……。』








アゲハの体が少しずつ透けていくのが分かった。