「翼の一番になりたくて、必死だった。一番好きになってもらいたくって。努力した。でも、それは翼を苦しめることになる。私が貧血とかするたびに、翼も病院に来てくれる。翼は今の高校生っていうかけがえのない時間を楽しまないといけないのに、私のせいで、私が体、悪いせいで、翼にまで心配かけて…普通ならこういうの親が心配するもんなのに、翼が私の親みたいに心配してくれる。」



「本当は好きな事好きあって、喧嘩して、でもやりなおして、また付き合って、好きな人とキスして、デートして……そんな青春、私のせいでおくれないかもしれない。一生私を守るなんていったら、ほかの子とは付き合えないんだよ?」





舞ちゃんはそういうと、翼に目を合わせた。やっと下ではなく上を向いてくれた。翼はじっと舞ちゃんを見つめると、強く抱きしめた。



「ほんと、お前は馬鹿だよ。なんで人の事ばーっか考えてんだよ。」




泣きじゃくる舞ちゃんは子供のようで可愛かった。



そして、翼は、舞ちゃんの肩に手を置いて


「ありがとな。」



といった。その表情は、とても優しくて、初めて舞ちゃんに見せた、いとおしそうな表情だった。