「それって…どういう意味?」


正樹の言っている事が正しいか、確認するべく、私は翼に詳しい話を聞く事にした。



「いつだったか、よく覚えてないけど、舞に告白された。でも、ふったんだ。あんまり話したこともなかったし。でも、あいつが病気だって知った。一回俺は舞をふろうとした。でも、急に、舞、俺の目の前で倒れたんだ。」


そう。そうだ。正樹の言ってた事と変わりない。間違いない。


翼は言葉を続けた。


「そして、「私、翼がいないと生きていけない」なんて言うんだぜ?こりゃ、ふれねーだろ?だから、そんときは、すげー軽い気持ちで付き合ってた。でも、」



「でも……?」



「ある日、俺なんで舞と付き合ってるんだろうって、疑問に思えて、舞のことは好きだけど、本当に好きなのかって考えた。」




「……さ。」



「ん?」



「翼……」



いつのまにか私の目には大量の涙がたまっていた。



いまにも零れ落ちそうなくらいの、大量の涙。


「翼は、間違ってない。ただ、時がそうしてしまっただけだよ。翼は、悪くない。だって、もし私が翼の立場だったら、告白なかったことになんてできないから。でも、もう自分を責めないで。舞ちゃんを守るっていう小さな枠に縛られて生きていかないで。」


「晴笑…」


「私、舞ちゃんを一生守る事は、舞ちゃんも嬉しくないと思う。だって、翼それを「義務」って思ってやってるから。舞ちゃんが本当に望んでいるのは、舞ちゃんを守りたいって言う翼の意志なんだよ。」



「でも、舞は一人では生きていけないやつなんだ。」



いつのまにか翼はスピードを下げ、誰もいない田んぼに囲まれた道路をゆっくりと通行していた。