晴笑side

「それが……翼の本心?」


声が震えた。喉が痛い。頭も痛い。

「ああ。確かに翼はそう言ってたんだ。」


そんな…そんな…


もし、それが本当なら


ブワッと涙があふれてきた。


それは、決してかなし涙じゃない。嬉し涙。


「わたし…い、行かないと。」


そういって私は、日が沈んだ空を見た。

今行けば間に合う。


翼にいえる。




「正樹!!本当に本当にありがとう。私、正樹に出会えて本当によかった。」


そういって私は、正樹に手をふると、翼のもとへいった。


「頑張れよ」


という正樹の声がかすかに聞こえた。