そう考えていると、どこからか私に名前を呼ぶ声が聞こえてきた。



「はるえっ!!」


その声はとても懐かしい声で、驚いた。



そして、恐る恐る振り返ってみる。



そこにいたのは・・・



「……れいな。」


明石れいな……昔と変わらないフランス人形のような顔立ちは、私の心を重くした。



それはずしんと重いおもりをつるされたような重みだった。




「どうして……ここに?」


やばい。声が震える。なんで?ここにれいないるの?転校したはずでしょ?私をさんざんいじめといて、別れの言葉も言わず、勝手に転校しちゃった……れいなでしょ?



なんで、私の前にあらわれるの?せっかく忘れられたのに。なんで今なの?



「ずっと…後悔してた。だから、こうやって話したいと思ってここまでやってきたの。」



れいなは、昔のような優しい口調で話し始めた。頭がガンガン痛くなって、耳を塞いだ。



これ以上、みじめにはなりたくなかった。




「やめて!れいな、私を裏切ったじゃん。元気な顔であらわれんなっ。」



私は、そういって逃げ出そうとした。しかし、私の腕をれいなにつかまれていて、身動きできない。



「ごめん。それは謝る。でもちゃんとした計画があったんだよ。」



れいなはそういうとそっと私の腕をはなしてくれた。



「計画?」