高校生恋愛*~初めての気持ち~

「---あった。」

306室。ここだ。ドキンドキンドキン。心臓が締め付けられるような感じがした。緊張とも少し違う。この気持ちはなんなんだろう。



私は306室のドアノブに手をかけた。そして、ドアを引こうとしたその時。



「ごめん。舞、これからはもっと大事にすっから。」

病室から聞こえてくる、翼の優しい声。


「ずっと?私…嬉しい。」


舞ちゃんの甘い声。


「私の事…好き?」


舞ちゃんはまた、甘い声で、翼に問いかける。私の胸は今にも張り裂けそうだった。



「好きに決まってるだろ?」



ドクン……!!!



その時、肩に下げていた、スクールバックがズルリと落ちた。そして、私はただ、306室のドアの前でただ、呆然とたちすくしていた。


目に涙だにじむ。どんどん視界がぼやけてくる。周りがみえない。次々と通り過ぎていく看護婦さんは、不思議そうに私の姿を見ているのが分かった。でも、涙は、とまらなかった。


“好きに決まってんだろ?”



あれは、まちがいなく、翼の声。



私は何をしに、ここへきたの?


翼に告白するためだよね。


でも、もう、答えはわかるきってるよ。ふられるってわかってるよ。だって、翼の好きな人は私じゃないもん。いくら頑張っても私にはなれない。もう、十分わかった。こんなに追いかけても無駄だったの?今までの行動のすべて、無駄だったの?



涙があふれる。私はその場をあとにした。



そして、そっと涙をぬぐった。