そして、気がつけば、私は彼の姿を探すようになった。グラウンドから聞こえてくる、体育で男子が騒いでる声。沢山の男子がグランドで、走り回ってる。みんな小さく見えてゴマ粒みたい。でも、私はすぐ見つけられる。正樹の姿。


あ。今笑った。



そんな事を見つけるたびに、胸がきゅぅぅぅんって締め付けられるみたいになるのが、たびたびあった。



教室に刺さるような太陽の光が私の目を塞がせた。うう。まぶしい。


「まぶしいわね。誰か、カーテンを閉めて」



先生の命令で、一人の生徒がカーテンを閉めた。ああ。正樹の姿見えなくなっちゃった。



カーテンの隙間からもみえない。はあぁ。机に向かっても、集中できない。シャーペンをくるくるとまわしても、頭に浮かぶのは彼の姿だけ。



ノートに無意識に書いてしまう「正樹」の名前。



駄目だぁぁあ。しっかりしろ!自分!なんてしかってみても、駄目な私。



恋してるのかな?私?ねえ。自分、今恋してるの?



自分が自分に問いかけしてみる。「恋」ってこういうこと?わかんないや。



甘酸っぱい青春。を今過ごしてるのかもしれない。それははっきりと思った。