「………よく頑張ったよ。うちら」


「そうだよ…やれるだけのことやったもん」


「…………いい思い出、作れたじゃん」


先輩はそういってみんなにむかってありがとうと言ってくれた

グラウンドはみんなの汗と涙がぎゅうっと詰まっている、そんな気がした


「―――あのっ!晴笑さん」


「お!!圭太じゃん!!今、圭太のとこいこうとしてたんだよー。」


「あはは!!そうなんですか」


圭太は頑張って走ってきたのかわかんないけど汗かいてメガネが曇っていた


「あの―――」



いきなり圭太は真面目な顔をして口を開いた。目で伝わる、何か重要な事を言うときのオーラ。



「運動会終わったら話したいことがあるって、言いましたよね?」


「―――うん」


「―――このこと晴笑さんに言っていいのか、今までずっと悩んでいました。でも、いつか晴笑さんも知るときがくると思ったんです。だから、驚かないでください」



「え?なに?なんかすごい空気重いよ~!」


圭太は下を向いてこういった


小さな声だったと思う。でも私にははっきり聞こえた。私たちとすれ違うひとやアナウンスは全く聞こえない。聞こえたのは圭太の一言だった




「正樹は中学の時から付き合ってる彼女がいる」