〝正樹と別れて。〟

〝マサキトワカレテ〟


え!? ああ~そんな事かあ~!あはははは~………。


って………


ええええええええええ!!


「何で私達別れないといけないわけ!?」




はあはあ……息が切れる。何言ってるの?橋場君……。


でもなんか……真剣そう


「ん。教える訳ねーじゃん!!」


プイっとそっぽを向いてる。もしかして……すねてるの?

「あはははは」

つい面白くなって笑ってしまった。

その瞬間橋場翼の細くて長い指が私の髪の毛に触れた。そして、橋場君は私の耳元で

「へえ。そんな顔彼氏以外の俺に見せてもいいんだ。」
とつぶやいた。

それは、とても甘くてとろけそうな声。

「……え」



そのときー……


一瞬、視界が暗くなる。あれれ?まだ日が沈むじかんでもないのに……って


「チュっっ」


なんかほっぺに温かい感触……

「キ…キ…キ…キスぅぅ!?」


ばっと自分の頬をおさえた。な…な……


「そんな無防備な表情してると襲うよ?」


はいぃぃ~~?



これがわたしと橋場翼の本当の出会いであった。