私は小さいとき……あれは多分、小学校低学年くらいの時だったと思う。

私はそのとき初めて「嘘」をつかれた。その記憶は今でも鮮明に覚えている。嘘をついたのは、大親友だった明石 れいな [あかしれいな]というフランス人形みたいな子だった

当時、私とれいなは、家族で一緒に旅行にいったり、お泊まり会をしたり、とにかくいろんな人から「なかがいいね」と言われるような関係だった。


私自身もれいなの事を信頼していたし、れいなもきっと、私のことを十分に理解していてくれているんだ、そう思っていた。


「晴笑―!おはよ」


「れいな~!おはよ」


れいなは私より勉強もできて、可愛くて、羨ましかった。唯一、れいなに勝てるものと言ったら、運動かもしれない


私は走るのが好きで、走ることが苦ではなかった。むしろ楽しかった。