なんだこいつ。



顔は可愛いくせに性格は全くと言っていいほど可愛くない。

人の話し遮るし、感情がよく読み取れない。なんか、ずっと笑ってる。


そうこうしているうちに遠くから聞こえてくるパトカーのサイレン。


「ほら、きた」

にっこり笑うこの人は焦りと言うものを知らないのだろうか。


「行くぞ」

マナトが歩き出したと同時に二台のバイクが走り出した。



綺麗なキャラメル色の髪を揺らしながら、可愛い系の男の子はこっちに振り向いた。


「ナオちゃんも行こっか」


なんであたしの名前知ってるの?と聞く前に引っ張られてしまった。


やっぱり、失礼なヤツだ。

…顔は可愛いけど。


そしてあたしは、マナトが先に乗った高級車の中に押し込まれた。