悲鳴のような叫び声のような、男の人の大きな声。


その声はどうやら近くの公園から聞こえてきたものらしい。



…なんだろう?



恐怖より好奇心の方が強かったあたしは歩く方向の向きを変え、声のする方へ進む。




公園が近づくに連れてどんどん大きくなる叫び声と先程までは気がつかなかった、鼻を突く鉄のような血の臭い。


向かっている場所が危険だと、頭の中ではわかってる。血の臭いを嗅いでも引き返そうとしないのはあたしが“変わり者”だから。


変わり者だってことは誰でもない、自分が一番知っていること。