「見上…廉?」
「うん。よろしくね♪」
ニコッと笑いかけてくる見上廉。
笑う彼の顔は無邪気な男の子みたいで可愛かった。
「てか、結南ちゃん俺のこと知らないの?ちょっとは有名だと想ってたのになぁ。」
知らないわけではない。
見上廉という名前は知っている。
長身でイケメン。更に頭も良い。
人懐っこい性格で誰からも愛される人気者。
私とは真逆の人。
私とは住む世界が違う人。
「知ってるよ。でも知ってるのは見上廉っていう名前だけで顔は知らなかったの。」
「えー。俺は結南ちゃんの名前も顔も知ってたのに。」
「え…?何で?」
交わるはずのない私たち。
何で私のことを知ってるの?
何のために…?
「だって結南ちゃんだって有名じゃん?」
「え?私が?」
「そうだよ。そんなに美人だし。誰とも群れない、高嶺の花ってね。」
何それ。
何もうれしくない。
結局は一人ぼっち。
「結南ちゃん…?」
私の頬に涙がつたった。
