「あの…離してもらえません?」

次の授業まであと2分しかない。
これは走っても授業に間に合わないかもしれない。
だからできるだけ早くここから立ち去りたかった。

「いいじゃん、急がなくたって。サボっちゃえばいいんだよ。」

ふっと笑って簡単に言ってのけた彼。

 13時25分

キーコーンカーンコーン――――――――――――

午後の授業のチャイムが鳴った。

「ほら、鳴っちゃった☆」

てへっと言って私の腕を離し屋上に寝転んだ彼。

のん気に日向ぼっこしている彼。
それを呆然と見ている私。

「突っ立ってないで結南ちゃんも寝っ転びなよ。」

私はその言葉に素直には従えずとりあえず隣にちょこんと座った。

「結南ちゃんってさぁ、いつも時間通りだよね。」

「え?」

「朝ぶつかったでしょ?あれちゃんと時間計算してぶつかったんだよ。」

え…えええええええ!!!!

今私の心の中は?と驚きでいっぱいだった。

「も…もしかして…ストーカーって…本当に…?」

私は恐る恐る彼の方を向いて聞いた。

「………。ぶっはっはははははは…!!」

急に笑い出した彼に当然驚きを隠せない私。