見捨てるつもりはないよ。 こんな雨の中、わざわざ時間を使ったんだから。 俺は濡れるのを覚悟で一度傘を下ろした。 「何して‥っ!」 少しだけ体を起こしたそいつを言葉ごと抱えあげる。 思った以上に軽かった。 俺がこの年の時にこんなにも軽かっただろうか? (いや、こいつが軽すぎる) 軽々と抱えた体に庇護欲くがわく。 初めての感覚だった。 施設で育って下ばかりだった中でも、こんなにも庇護欲くがわいた事は無かった気がする。