ふっ.....
何という不幸。
私達、不幸...
何と、私達が一番最初のペア。
はぁ。
「いってらっしゃ~い」
.....杏奈先輩。
貴方達だって、3番目じゃないですか。
「結衣。もしかして、怖いの?」
入ってすぐに、歩くスピードが遅くなった私に聞く。
そんな野暮な質問を...
「正直、怖い」
「ふ~ん。じゃあ、はい♡」
と言って右腕を出した。
「えっと、どうしろと?」
「だから、怖いんなら、腕つかんでいいよって」
......なるほど。
「ばっ!」
「ぎゃあ~!」
ガシッ。
「よしよし。怖くないよ~」
「私は子供じゃない」
「そうかね」
「ねぇ、秀。最近、キャラ変わってない?」
「いや、別に~」
何か、上機嫌な秀。
「でも、結衣って、意外と苦手なものとかありそうだよね」
「そ、そう?」
「うん。例えば、雷とか」
ゲッ.....
何で、分かったの!?
「当たり?」
「さぁ。あ、それよりも、前のことを蒸し返すかもしれないけど、秀ってモデルの仕事をしているんでしょ?」
「あ、ああ。でも、もうあんまりやっていないけどね」
「ふ~ん」
「そういえば、さっきから、結衣ってば脅かし役の人達を無視して、可哀想だけど」
「え!?そう!?」
そんな脅かし役の人達を心配する秀もどうかと思うけど。
それより、このお化け屋敷って迷路だよね。
「迷路、俺、得意なんだよね。絶対に間違えないから。だから、早く出れるよ」
よっしゃあ!
さすが、秀。
「あ、ほら。全力でやれば、10分ぐらいで出られる仕組みになっているんだよ」
おお!
私達の目の前には、とても嬉しい出口が!
皆、ちゃんと出てくるかな?
私はゆっくり、余裕を持って、待っていよう。
へっへっへ。
「ありがと。秀」
「どういたしまして」

