「じゃあ、次は私が選んでもいいですか?」
いいんじゃない?
だって、さっきは杏樹ちゃんの嫌いなものばっかりだったし。
「いいんじゃない?」
「イヤ。絶対にイヤ」
え?
何で?
「じゃあ、お化け屋敷に入りましょうか」
うわぁ~.....
杏樹ちゃん、満面の黒い笑み。
あ、もしかして.....
「杏奈先輩、お化けとか苦手なんですか?」
「グッ......」
「杏奈はそういう怪異とかメッチャ苦手だぞ。小さい頃から、夜、物音がすると、俺にひっついて来て.....」
「「ノロケ話はいらない」」
ふ~ん。
怪異とか苦手なんだ。
まぁ、私もあんまり得意じゃないけど。
「結衣は?」
「あんまり得意じゃない」
「じゃあ、忠告。絶対に杏樹と一緒に入るな」
何で??
「いや、だって、あの子、マジで霊感があるから...本物が見えちゃってねぇー...」
あー...
なるほど。
「で、どういうペアで行く?」
「.....正確には誰が杏樹と一緒に入る?」
「それって限られているわよね」
「あ、別に私は入らなくても構いませんが?皆さん、楽しんで~」
黒い!
「俺は杏樹と行っても良いよ~☆」
「別に私は.....って、うわっ、ちょっと、離してください!」
「はいはい。これで杏樹は強制的だから~☆俺と仲良く入りましょうね~」
「やっぱり、私がこうなるんですか...はぁ」
「じゃあ、いつものペアで行くか」
「「「異議なし!!」」」
いつものペアって事は、秀とって事か。
何かドキドキするな。
「あの、何で私は、と言うか、いつまで私は横抱きに何かされているんですか?」
「あははははは~☆」

