超能力的生徒会 in 蝶野学園 【番外編】

「杏樹~...あ~ん~じゅ~!」

「......あ、要。何でしょう」

「何でしょう。じゃなくて、そこの人達に何したの?」

「いえ。何も。私はただ、仕事をこなしていただけで」

「じゃあ、本人に聞いてみよう。どうしたんですか?」

「このガキが俺の脚を引っ掛けて転ばせたんだ」

あ~.....よくあるイチャモンのつけ方だなぁ。
こんな感じで杏樹ちゃんは変なことに巻き込まれるんだ。

「別に何の利益があって足を引っ掛けるんですか?私は利益の無いことはしません。しない主義なんです」

そんな事言っているけど、結構、利益の無い人助けとかしている杏樹ちゃんなんだよね。

私は知っているのだ。

だって、杏樹ちゃん本人に何の利益も無いのに、生徒会の仕事を全てやってくれているじゃん。

「と、言っていますが」

「でも」

「証拠は?私が足を引っ掛けたなら、私の靴の横に靴のドロか何か付いているはずでしょう」

杏樹ちゃん、強い!

「うっ!覚えてろよ!」

「何を覚えていろと?貴方のバカさ加減をですか?まったく。私の仕事の邪魔をしやがって」

最後の方は聞かなかった事にしよう。

「杏樹は口の利き方を勉強しないとダメだな」

「悟さんにそんな事は言われたくありません」

「何故に!?俺、変なことは言った覚えは無いぞ!?」

「だって、悟さんが敬語を喋っているのをあまり見たことがありません」

確かに。
でも、何でいっつも悟君のことは『悟先輩』って呼んでいるのに、今日は悟さんなんだろう。

「あ~、それはきっと杏樹は知っているからね~☆そのうち、悟の事を義兄さんって呼ばなきゃいけなくなるからね~☆」

なるほど。
もう2人の結婚は決まっているのか。
何か、杏樹ちゃんってお姑さんみたい。

ま、それより、

「次は何に乗る?」

「乗る前に、お昼を食べましょう。もうお昼の時間だもの」

もうそんな時間?

時間が経つのは早いね~。