結衣side


それは、ある日突然、

「遊園地に行きたいわ」

と言う杏奈先輩の言葉から始まった。


「.....えっと、杏奈。何でいきなり遊園地?」

うんうん。
悟君と同意見だよ。

「え?だって、たまに生き抜きが必要じゃない?ほら、何だか色々あったじゃない」

あ~.....
まぁ。

「俺は別に意義なぁ~し~☆」

「俺も別に良いよ」

「俺も」

「あたしもぉ」

「.....俺も」

「先輩方~?」

あ、杏樹ちゃん?

何か黒いオーラが見えるんだけど...

「そんな遊んでいる暇があったら、少しは生徒会の仕事をしてくださいっ!何で先輩方は私に生徒会の仕事を全部、まるまる、押し付けるんですかっ!」


ごめんよ。
杏樹ちゃん。

私にはそれを手伝う事が出来ない。

何気に生徒会の仕事も兼ねているSクラス。

どうやってそれを成り立たせているかと言うと、

生徒会の仕事をほとんど杏樹ちゃんに押し付けているから。


だって、まず、生徒会長の秀は、

『会長は一番偉いからやらなくていい』

だ、そうで、

『え~☆そんなの面倒臭くて出来ない~☆』

これが要先輩。

そして、

『こんな複雑な事言われても、私だけの判断じゃ決められないわ』

と言うのは杏奈先輩。

『こんな難しい言葉分かんなぁ~い』

と言うのは美玖ちゃん。

『......宿題で忙しい』

これは慶君。


で、杏樹ちゃんが一番しっかりしていると言うのもあって、
杏樹ちゃんがほぼ強制的にやらされている。

だって、私も宿題が忙しいし、
バカすぎて、分かんな~い☆

てへっ☆


「「「え~~?だって、杏樹、頼もしいんだもん」」」

「気持ち悪いから、ハモッって言わないで下さい」

「「「うっ」」」

うわぁ~...

一気に、秀、要先輩、杏奈先輩の戦力を削いだ杏樹ちゃん。

「でも、杏樹。ちょっと位は良いんじゃない?」

「そうだよ~☆杏樹は頑張りすぎ」

フルフルッ.....

あ、杏樹ちゃん!?


「その休息を私から奪っているのはあんたらでしょうがぁ~!」

私はこの日、初めて杏樹ちゃんの大噴火を見た。