「しょうがない…。俺が出るよ」
勇者が現れた。
「ありがとー!感謝!
じゃ!!決まり!!解散!!」
体育委員がそそくさと終わらせ、
各自掃除を始める。
俺はどうやら、勝利を勝ちとったらしい。
小さくガッツポーズもした。
―――そんな時だった。
里桜
「雅紀なんで手を上げなかったの!?
最後に出てくれるって言った子、
腰痛めてるのに出るんだよ!?
帰宅部なのに!!」
雅紀
「(や、やめてーっ!!
んな大きい声出さないでぇーっ!!)」
里桜が俺の所まで来たのだ。
里桜
「それに文化部の子だって
たくさん出てるよ!!」
雅紀
「いやだって、俺ブランクあるし」
里桜
「普通の文化部と元陸上部の文化部、
どっちが足が速いと思う!?」
雅紀
「えーっと、答えは『人それぞれ』です!」
里桜
「センセーイ!!ここに元陸上部なのに
選手じゃない人がいますっ!!」
雅紀
「グッ……」
「雅紀?それは駄目でしょ」
「あーっ!!雅紀君が居たんだった!!」
先生と体育委員が声を上げる。
そして気づいた。
俺の影を薄める作戦、成功してたぁ!

