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――――…


雅紀
「ふぃ〜、上がったぞ〜。次入れ」


慶兎
「げっ、燐兄!!雅紀兄がマジで入ったよ!!」



「うーわー…。入りやがったよコイツ…」


雅紀
「時間はまだあるんだから、
次の風呂に入れよ」


燐 慶兎 睦月
「「「いや。」」」


雅紀
「………はぁ」



その後こいつらは、本当に1人も
父さんが帰ってくるまで入りませんでした。



バカだろお前ら。


あ、そう言えばこんなこともあったな…。






――――――
――――…

雅紀
「おい、慶兎。二階の俺の部屋から、
携帯を持ってきてくれないか?
今ちょっと手が離せなくて…」



と、俺が食器洗いをしているときに言うと



慶兎
「え?二階?ヤだよそんなこと」



お茶を片手に漫画を読む慶兎が、
さらりと答える。



雅紀
「そんなに面倒臭がらなくても、
いいじゃんか、な?」


慶兎
「違うよ雅紀兄。外を見てみなよ。
真っ暗じゃん!きっと今、
幽霊が徘徊してるよ、二階を」


雅紀
「……なんで二階限定?」


慶兎
「雰囲気が凄く出そうな感じがする。
だって階段も廊下も暗いし」