雅紀のクラスの団結力は半端ではない。


他のクラスが近よりづらい程、
仲がいいのだ。


これはそんな雅紀のクラスの話。


〜化学の時間〜


「この器具はホールピペットと
言って水溶液を計る器具でーす。
こっちはメスフラスコ。
正確な濃度の水溶液を作るための器具です。
これはビュレット。
滴下量を読み取る為の器具です。
最後にこれはコニカルビーカーです。
酸と塩基の水溶液を反応させる器具です。
今から端からまわしていくので、
見てくださーい」



長ったらしい説明文を軽く聞き流しながら、
四組は笑う。先生の間延びした口調に。


雅紀のクラスは成績自体は優秀なのだが、
授業態度が時間割によって変わるなど、
よくある普通のクラスである。


そんな中クラスメイトAが、
まわってきたホールピペットを握り締め
いきなり立ち上がった。