「愛の力がそうさせるの」

「……数学の説明が説教にならないようにね」




あたしは袋の中から、適当に飴を2つ取り出した。







「…………ピーチ?」

あれ?この飴にピーチ味なんてあったっけ?



オレンジとグレープとストロベリー、メロンの4種類だったはずなんだけど。



あたしは袋のパッケージに描かれたフルーツの絵を見た。


だけど、やっぱりピーチだけはのってない。





袋を逆さにして飴を全部机の上にばら撒くけれどピーチ味の飴は袋の中に2つしかなかった。




「なんで?不良品??」

「新しい味なんじゃない??」


やっちゃんは楽しそうにピーチ味の飴の入った小さな袋を取り上げると、空にかざした。


薄い黄色のような白のような……そんな色がキラリと輝いた。






「まぁ、今日はほのかのラッキーデーなわけで、ラッキーアイテムは桃色とキャンディ……ってことはさ」

「!!やっちゃん!!もしかして……」



やっちゃんはニヤリと笑うと、
「もしかしたりして……」
と言って2つのピーチ味の飴をあたしの手の平に乗せた。