私と柊司の家は、小学校の学区では、
端っこの場所で、
小学校は遠かったけど、
中学は近くなった。
おかげでこの中学の3年には、
同じ小学校出身の生徒は、私と柊司しかいない。
つまり、仲良かった頃の私たちを
知っている生徒はいない。
そして、私と柊司の家が近いこと、
小学校が一緒だったこと、
そのことを、柊司を好きになった女子たちが知っても、
【舞野さんなら安全】
と言われた。
どうやら、私は【安全】な人間らしい。
「麻井くんって小学校の時どんな子だった?」
「麻井くんって小学校の時好きな子いた?」
「麻井くんてどんな女子が好きか知ってる?」
いろいろ聞かれたけど、
全てに「ごめん。わかんないや」
そう、答えた。
本当にわからなかったから。
私には、可愛かった頃の柊司しか、
記憶になかったから。
中学でも一度も一緒のクラスになったことなかったし、
本当に、接点がない。
接点がない・・・
そう思っていたのに、
その日の帰り、
部活がなくなったせいか、
下校の時間も柊司と一緒になってしまった。



