どんなに思い出しても、
どんなに考えても、
怒らせるような、嫌われるようなことをした覚えがない。
いつもすぐに泣いてしまう柊司の頭を撫でてあげたり、
宿題を一緒にやったり、
おやつを半分こにして食べたり・・・
ゲームが苦手な柊司に、
わざと負けてあげたり・・・
優しくしてあげたことしか、思い出せない。
あ・・・もしかして、
【柊ちゃん】って呼んでたことが、
そんなに嫌だったのかな・・・
こんなに避けるほど、
それが、嫌だったのかな・・・
まっすぐの道を右に曲がると、中学が見える。
柊司が先に右に曲がって、
私から柊司が見えなくなった。
もうきっとこのままだ。
柊司とは、もうこのまま・・・
口もきかない
ただの、他人
そう思った。



