それからずっと柊司のことばかり考えていた。




夜になっても、朝がきても、


ずっと頭の中は柊司のことばかり。


柊司を思い出しては、ドキドキしている自分がいた。



柊司のことは、出会った時から好きだった。


でも、友達としての好きであって、

ドキドキすることなんてなかった。


一緒にいるのが普通で、空気みたいな存在で、


それが、いきなり小5の時に突き放されて。




すごくさみしかった。




嫌われたと思ってた。



避けられていると思ってた。


だから、今の柊司の行動がわからなかった。

柊司にドキドキしている自分もわからない。





柊司・・・・・




ひとりで熱くなっている両頬を抑えた。




・・・とりあえず、今日は学校に行かなくちゃ。





朝、痛む足に手こずりながら制服に着替え、


片足引きずりながら、玄関を出た。





道路に出ると、少し先を柊司が歩いていた。



柊司の背中を見て思った。




また、こうやって背中を見るだけなの?


せっかく、久しぶりに声をかけてくれたのに・・・





また、何もしゃべらなくなった頃に戻るのだけは嫌だ。


また他人に戻るなんて・・・




せっかくおんぶしてくれたじゃん。


せっかく部屋にきてくれたじゃん。



抱きしめて・・・くれたじゃん!!




また離れるのは・・・絶対に嫌だ!!!





「柊司!!」