はっとする。

…あの時の、研修医の…!!!


「もしかしてと思ったけど…そうだよね?」


思い出したくないけど、じんわりと温かい、くすぐったい思い出。


「あ、あの…」

「ホントに“お母さん”になったんだね」


律には悪いけど、キュンとした。

きっとあれは初恋だったんだ。

ずいぶんと年上に恋をしていた、背伸びをしたかった、生意気だったあの頃。

もう戻りたくない。

だけど、私には必要だった思い出。