「僕も子供のころ心臓病だったんだよ」

「……え?」

「だからちょっとは気持ちわかるよ」

「ほんと?せんせいも病気なの?」

「柚希ちゃんとは違う病気だけど、手術したこともある。ここに機械が入ってる」


先生は左胸を指差した。


「だからね、医者になろうって決めたんだ」


見上げると、満点の星空だった。

不思議な感覚。

心地いい安心感。