ついたのは“医局棟”と書かれた場所。

薄暗い廊下は冷たくて冷える。

急に明るくなったのは、きっと、ここは先生の部屋。

先生はどこからか毛布を持ってきて、私の肩にかけた。

雑然とした机が並んでいて、薄汚れたソファーには、ボロボロの布切れみたいなお医者さんがイビキをかいて寝ている。

研修医の先生はマグカップをふたつレンジに入れて、鼻歌をうたってる。


「せんせい、なに…」


私が話しかけると、また“しぃー!”って。