仕返し屋



…―


「全く!!どういうことだっ!!!」


午後、部長が怒り心頭で帰ってきた。


「…す…すみません…―」

舞が涙声で部長に謝罪しているが、部長の怒りは収まらない。

「すみませんで済むわけないだろう!!
一体どういうことだと聞いてるんだっ!!
新企画のデータを無くすだなんてっ!!

全く、とんだ恥をかいたよ。君には失望したっ!!」

部長の言葉に周囲がざわつく。



…本物だ…―

美鈴は確信した。
あのサイトは本物だ。

「先方には改めて謝罪に行き、もう一度、プレゼンさせてもらえるよう、かけあってくる。
最後のチャンスだ。二度と失敗は許さんぞ。」

部長はギロリと舞を睨みつけた。

「データのバックアップはちゃんととっているんだろうな。」

「そ…それが…。
…―確認…確認してみたんですが…―データがすべて…―消えてしまっていて…―」

美鈴は笑いをこらえるのに必死だった。

「もういいっ!!」
部長が出て行くと、舞はその場に泣き崩れた。