あたしはびっくりして口をぽかーんと開けていた。 だってまさか目の前で止まるとは思わないし。 固まっていると、スモークのかかった窓が開いて 中から中年のおじさんが顔を出した。 …悪い人ではなさそうな。 にこにこと笑顔を浮かべている。 「お聞きしたいんですが、ここは皆野村ですか?」 「は…はい。そうですけど…」 あたしはどもりながらも答えた。