毒舌な彼女とオレ様な彼


――ふわ。


どうしてか、あたしの体が持ち上がった。


「…え?」


なんか右の方に暖かさを感じるけどその右目が切れてるから見えない。


あたしが頭の上にハテナマークを浮かべていると


「初音、大丈夫か?保健室行くぞ」


いつも聞き慣れた、でも少し声色が優しいあの声が上から降りてくる。この声…


「会長!?」


「なんだ。このオレ様が直々に運んでやってんだ。感謝しろよ?」


こんな時までオレ様…。びっくりするわ。…それよりもコレ、お姫様抱っこ?


「ちょっとヒロト!?まだゲームの続きが…!」


会長に気があるだろう女の子が叫ぶ。ちょ…あたしケガ人…


「…はぁ?オマエはケガ人放っておけるのか。サイテーだな。


それにこっちの方が優先だ」


会長は女の子をじろっと睨んでスタスタとあたしを抱えながら歩いていく。


「ちょ、ちょっと…会長。あたし歩けますから。大丈夫です」


あたしはなんとか脱け出そうと会長の腕の中でジタバタする。


「いーから。こう言うときは甘えろ」


逃げ出そうとするあたしをそうはさせまいとさっきより強く抱き締めてくる。


え、ちょ。なんか…柄にもなくあたしがときめいてる?


いやいやそんなのないよ。ビックリして胸がなってるだけだよね。