「えぇぇっ!?つ、付き合ってないぃ~~~~っ!?」




捺菜は大袈裟にのけ反って驚いた。


大袈裟に言い過ぎて、捺菜の大きな声が体育館中に響き渡る。現在、体育の授業でバスケ中。


てか、前々から付き合ってないって言ってたんだけど。


「それっ、本当なの!?本当に本当にそうなの!?」


「うるさい。そうっていったらそうなのよ。捺菜、頭大丈夫?」


捺菜は「うそぉ~…」とか言いながら踞(うずくま)る。そんなにショックなことなんだろうか…?


あたしはふいに隣のコートを見る。そこは隣の2組がバスケをしているところだった。


確か2組には…。あぁ、いたわ。


コートの中でひときわ目立ってプレーしている。ムダにイケメンな男子、日向大翔。この学校の会長なんだけど…未だに信じられない。


会長は一人でドリブルしていく。一人、二人、三人…あ、五人抜いた。そしてそのまま―――ダンクを決めた。


…へぇ。結構すごいんだ。こんなこと普段ないからビックリし「「「キャーーーーーッ!!ヒロトーっ!カッコいいーっ!」」」


…女子たちの黄色い歓声があたしの思考をジャマする。そりゃ顔はいいけど、性格を知っててこの人気って。マジか。