「おお鷹野、今日も早いなぁ」
「相川先生、おはようございます。先生は今日も老け顔ですね」
「朝っぱらから鷹野の毒舌を浴びるとはなぁ。心が痛ぇよ!ハッハッハッ」
先生は老け顔に皺を作りながら豪快に笑い飛ばす。
相川先生(30)はあたしの担任兼生活指導の先生だ。あたしが唯一毒舌をかますことができる先生である。
人の良さそうな外見の老け顔に顎には髭が生えている。そして異様に肌が黒い。黒人かよ。
「…先生はどうしてそんなに心が広いんですか」
あたしが毒舌かましても笑い飛ばすだけだし男子生徒がからかっても別になんともないようにまた笑い飛ばす。
そんな先生が分からなかったからつい聞いてみた。
「ん?いや別にオレは心が広くねぇぞ?からかわれても毒舌吐かれても、それはお前ら生徒の愛情表現だろ?
それを怒って止めさせるなんて、教師として失格だと思うね、オレは」
そういって「やべぇ、オレ何気いいこといったか?ハッハッハッ」と笑い飛ばした。
「先生ってバカなんですね。前から知ってましたけど」
「おう。オレはバカだ。ハッハッハッ!」
また、笑い飛ばした先生。マジでバカだ。