毒舌な彼女とオレ様な彼



「そう強がんなよ。じゃ、そろそろ帰るぞ~」


ゆる~い感じで先に歩いていく会長。


「ちょっ…!待ってくださいってば!」


…この胸の鼓動はなんなのだろう…。体験したことのない鼓動だ。


あたしはそんなには気にせず後を追いかける。


そんな会長の背中は、いつもより少しだけ大きくなっているような気がした。



* * * * 

大翔side


オレは初音を送り届けて、帰路を歩いている。


そして先程の事を鮮明に思い出していた。…そう。先程の。


「マジでなんなんだよあの顔…///」


オレが本気でキスしようとして…いつも他の女にやるみたいに名前を呼んだら、あんな顔。


涙を目に溜めてうるうるさせて、しかも上目使いだし。頬を赤らめて、あんな…色っぽい表情。


崩れそうになる理性を細い糸一本で保たせて…襲いたくなるのを必死に抑えて。


いつもなら絶対にしない、おでこにキスをした。


「オレ、大丈夫かよ…///」


こんな、こと初めてだ。